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「日刊セイケイ斯ク戦ヘリ」プロローグその⑩

2016年、4月15日以降に発生した、熊本県を震源とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くの 皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、某党や胡散臭い団体・個人の募金や義援金の呼びかけには十分に気を付けてください。

回顧録「日刊セイケイ斯ク戦ヘリ」県連では決めん、党本部で決める。⑩

林義博氏

林義博氏

何が何でも金子原二郎氏の知事選出馬による長崎第4区の補選に子息、宮島大典氏を擁立したい宮島組合長は春光会長に大典応援と金子氏応援とを執拗に迫っ た。そして宮島会長は何の脈略もなく「県信連が西日本不動産(長崎市・木下社長)に貸し付けている数十億円が焦げ付いている」。と、選挙とは全く関係ない 話題を唐突に持ち出してきた。
私は最初、何のことかさっぱり意味が分からなかったが、春光会長の苦々しいと言わんばかりの表情を見て、だいたいの察しはついた。この頃はバブルが弾けて長崎でもあちらこちらで不良債権が発生していたからである。
それに、佐世保市江上町のハウステンボスに隣接する土地に農業体験ができる滞在型リゾート開発の計画があり、長崎県信連が土地購入費として数十億円を貸し付けていた話は環境タイムスの主幹として取材したことがあったから、そのくらいは知っていた。

ただ、何でこの場で、しかもこのような形で宮島組合長がこんな話を切り出したのか、意図が分からなかったのだ。すると春光会長はすました顔で「そりゃあ 佐世保農協も色んな焦げ付きがあろう。どこも似たような焦げ付きはあるやろう」。と、笑顔も見せずに言い返した。

春光会長の反撃に少し狼狽した宮島組合長 は「春光さん、我々は同じ穴の狢みたいなもんでしょ、これからも助けあっていきまっしょ」。と、作り笑いをして、春光会長の顔を覗き込んだ。宮島組合長は こう言いたかったんだと思う。「春光さん、大典を国会議員にしとかないと、宮島家は大変なことになる、そうなれば私が長崎県信連から借り16億円の金も払えなくなるよ、そうなると最終的には貴方(春光会長)にまで迷惑を掛ける事になるよ。そうならないためにも大典ば何としてんでん国家議員にしとかないとい けんのさ」、と。

竹ずしすると春光会長はこの話はこれで終わりにしようと思ったんだろうと思う。「補選の候補は県連の選考委員会が決めること、ここで我々が何ば言うてん、いっしょたいね、大典さんで決まればそれもよし、あとは県連がどがんすっか、決めるだけたい」。と、言って自ら頷いていた。

0421_03 すると、また宮島組合長の口からとんでもない話が飛び出したのだ。「県連では決めきれん、最後は党本部で決めるっさ」。私はその時の宮島組合長の得意げな顔 が今でも忘れられない。こうして19年前のことを思い出しながら回顧録を書いている今でも、昨日の事のように鮮明に思い出す。あの時は宮島組合長のことを腹立たしく思ったもんだが、私も二人の息子を持つ親ということでは同じである。あの時の宮島氏の子を思う親の気持ちが分からないではない。ただ、あんまり無理をすればロクなことにならない、と、いうことを学んだことは間違いない。

この日の会談から約2年数カ月後、宮島組合長が長崎県信連から融資を受けていた16億円の焦げ付きが発覚し、事件にまで発展したことを記憶している読者もいるだろう。



 

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